「これを飲むだけで痩せられる」はホント?
今の人が太るのは、自分自身の体の問題です。
食べ過ぎてしまう心というよりも、それを要求する体に原因があるのです。
それを治して本来の適度な栄養摂取の習慣を取り戻すには、減食トレーニングによって体を変える以外に方法はありません。
本人の努力のみで自分が変わる。当然のことです。
しかし、世の中のダイエット市場は正反対で、「楽して痩せられる」ことを暗に訴える商品ばかり。
「これを飲むだけで痩せられる」なんて、病気になるに決まっていると思うのが普通ですが、ダイエット狂騒劇ににはまりこんだ「リピーター」達は訳がわからなくなり、ついついブームを渡り歩いてしまう。
例えば、「オルリスタット」という、脂肪吸引を阻害する薬があります。
これが、「痩せ薬」として、肥満治療に使われたりします。
確かに、「オルリスタット」は、食事で食べた脂肪分を腸で吸収させないように作用します。
食事で摂取した脂肪は、肝臓から胆汁として分泌されるリパーゼという消化酵素によって吸収可能な脂肪酸に分解されますが、「オルリスタット」は、このリパーゼという消化酵素の働きを邪魔します。
このため、食事で摂取した脂肪は腸管から体内に吸収されることなく、そのまま便に排出されるのです。
ですから、他人任せのダイエッター達は「オルリスタット」を飲んでは、満を持して脂肪たっぷりの焼き肉を食べたいだけ食べる。
すると、翌日、ドカッと、たっぷりの脂肪がそのまま便に出る。
それを見た他人任せダイエッター達は「順調にいけばこのまま痩せれる!」と成功を確信し、薬を飲み続ける訳です。
当然のことながら体重は落ちていくでしょう。
しかし、最も肝心な、肥満の大もとの原因である、その人の「食べ方」は何ら変わっていません。
だから、「理想体重まで落ちた」ということで「オルリスタット」を辞めれば、又太っていく。
リバウンドするということです。他にも「食欲抑制剤」という薬が現実にあります。
食欲抑制剤というのは、食べるのを我慢してもある程度空腹感を紛らわせてくれる薬のことです。
そして、食べるのを我慢するのはあなたの意志の力です。
薬を飲んだだけでは、決して食欲は抑制されません。
食欲抑制剤を飲んだだけでは決して痩せれないことを理解すべきです。
なら、毎食カロリー計算して食べればいいと、考えるかもしれません。そうです、その通りです。
でも、そんなこと、年をとっても、毎食毎食、いちいち計算しながら食事できますか?
だからこそ、特別な物を食べなくても、食欲抑制剤を飲まなくても、カロリー計算をしなくても、いつまでもスマートな体型を維持するためには、小食の習慣を身につけることです。
腹八分目で辞めておく、そんな食習慣を身につければ、何も特別なことをしなくても、自然なダイエットになるのです。
これもしごく当然の話ですが、そういうことがわからなくなってくるのです。
「食べながら痩せられる」という方法は、自分が「食べ過ぎている」という事実に全く関心がありません。
ただ単にリバウンドのことは考えずに「体重さえおとせればいい」と思っているだけです。