現代人は胃袋が大きくなってしまっている
世の中の女性の最大の関心ごとの一つとしてダイエットは一番か2番にはくるでしょう。
ではなぜダイエットにそんなに関心が集まるかと言えば、「人はダイエットをしても必ずリバウンド」するからです。
最大の理由は医学的にも証明されているように「胃袋が伸びきって大きくなってしまっているから」です。
いくら、カロリーに気を使って、我慢して減量しても、胃袋は相変わらず大きいまま。
胃袋が満たされることが「もう食べるのを辞めよう」と感じる唯一の信号なのですから、いくらカロリーダイエットをして一時的に成功させても、食欲中枢の満足度レベルは全く変わっていません。
我慢はそう続くものではないということです。
人の食欲というのは恐ろしいほど強いものです。
食べ物が満たされている現代社会にいるので、普段私たちはその恐ろしいほどの強い欲望に気が付きません。
「食い物の恨みは恐ろしい」という言葉に思いあたることはあると思います。
もし、飢餓の極限状態になったら私たちはどうなるのか?
ご想像にお任せ致します。
振り返って見れば、人類の歴史のほぼ100%以上は、いつも日常の中に「飢餓の恐れ」というものがありました。
15万年前にアフリカで発生したホモ・サピエンスは、ヨーロッパやアジアへ移動しアメリカ大陸へ渡りました。
それは、食糧を追い求めさまよった結果なのです。
人類はほかの野生動物同様、常に空腹で暮らしていたわけです。
日本人で考えれば、庶民が普通に食べ物に困らなくなったのは、ここ数十年のことです。
現在はファミレスもコンビニもファーストフード店も日本中にあって「お肉が食べたい」「甘いものが食べたい」と思えば夜中であろうが早朝だろうが、車で食べに行くことが出来ます。
人はほかの野生動物と同じように「いつも小腹がすいているのがあたりまえ」という環境で進化し、体もそれに適応してきたのに、今や人は「本当の空腹」「本当の飢餓」というものを感じる機会が全くなくなってしまっています。
何十万年という人類の進化の末に出来あがった体には、ここ数十年の変化に耐えられるわけがありません。
それで、どうなるか?
私たちの体は、食べられる時には食べられるだけ食べておき、余ったエネルギー源はすべて「脂肪」として貯蔵するようにできています。
胃袋がびっくりするほど伸びて膨らむのも、食べられるだけ食べておかないと次にいつ食べられるかわからないのが「当然」だったからです。
又、私たちの本能には飢餓に対する恐怖と備えが強烈にインプットされていますから、栄養源としての脂肪を体に蓄えることに決してストップがかかりません。
数十万年もの間、飢餓で苦しんでいたのですから、人は、そこに食べ物があればあるだけ食べて、体脂肪を無制限に蓄え続けるようにできているのです。
肥満大国のアメリカで、起き上がることができないほどの肥満者が家を壊して救出され病院へ送られるのも、決して「おかしなこと」ではありません。
人間というのは、放っておけばあるだけ食べ、太るだけ太り続ける生き物だからです。